12月11日、公立大学協会は、国立大学協会、日本私立大学団体連合会、日本学術会議 と連名で、各団体が協力して研究の健全性向上のために活動することを宣言する 「科学研究の健全性向上のための共同声明」を公表し、記者会見を行いました。
記者会見には、本協会からは中村慶久副会長(岩手県立大学長)が出席しました。
科学研究の健全性向上のための共同声明
我が国の研究機関は、種々の学術分野で世界の拠点の一角を占め、数多くの重要な成果を挙げてきた。このことは、我が国の研究者がノーベル賞をはじめとする国際的な学術賞の受賞者に数多く含まれていることからも明らかである。 一方で、研究費の不正使用、データのねつ造や改ざん、盗用に代表される研究活動における不正行為が後を絶たないという問題が存在している。最近も、研究費の不適切な使用、データねつ造等の論文作成における不適切な行為等の研究活動に対する社会的な不信を招く事案が大学等の研究機関で多発しているのは、残念ながら事実である。 一般社団法人国立大学協会、一般社団法人公立大学協会、日本私立大学団体連合会及び日本学術会議は、我が国の学術界が、日常的な研究活動における研究の健全性を飛躍的に強化するとともに、研究者の育成において一人ひとりの研究者の規範意識を高めるための対策を講じることによって、我が国及び国際社会における学術研究に対する信頼性を回復して、さらにそれを高めていくことが急務であると考え、以下のとおり決意を表明し、我が国の学術界の責務として、各団体が協力して研究の健全性向上のために活動することを宣言する。 1 大学等の研究機関は、世界における研究活動の中心の一つとしての役割をさらに高めていくため、研究活動における不正行為、研究費の不正使用を許さず、世界の範たる健全な研究を遂行する。もし疑惑が生じた場合には、第三者の協力を得つつ、組織の責任として、適切な方法で迅速・的確に対処する。 2 研究活動における不正行為、研究費の不正使用の防止には予防的な措置が不可欠であり、大学等の研究機関は、すべての研究者が健全な研究活動を実践できるよう、広く研究の倫理を含めて、適切な学習プログラムの履修を義務付けるとともに、これらが実効性あるよう、継続的に評価・審議していく。 3 大学等の研究機関及び日本学術会議は、我が国の科学者コミュニティの主要な一員として、研究活動における不正行為、研究費の不正使用に対する厳正な対処予防のための学習プログラムの開発と普及に向けて相互に協力し、我が国の科学研究に対する国内外の信頼を高めるために全力で取り組む。
一般社団法人国立大学協会 会長 |
◯(PDFファイル)平成26年12月11日「科学研究の健全性向上のための共同声明」